VDPのユニークな点は、プロの作り手たちの連盟でありながらも『商業主義』とは一線を置いているところです。たとえば彼らは自分たちの存在意義を次のように述べています。
・「自分たちは“ワイン狂の同盟”であり、優れた質を守るための防波堤である」
・「ワインから個性を無くす“ワインのグローバル化”と、それが助長する人工的で不自然なワイン産業にあくまで対峙し続ける」
“ワインのグローバル化”とは…?昨今、ワインが作られる国や地域は年々広がりを見せています。それと同時に、以前ならある特定の産地でしか表現できなかったワインのスタイルが、必ずしも特別なものではなくなってきています。むしろ研究や技術力次第では、それらを凌ぐものさえ造ることが可能。美味しいものは誰だって欲しい、それが高じて、世界のどこでもそれなりの質を持った「似たような」ワインが作られつつあるのです。VDPはその流れにNOを突き付け、彼らの誇りとするドイツワインの文化を守らんとしている訳です。
優れた品質と同時にVDPが大切にしているのが、それぞれの地域ごとの特徴がワインにしっかり反映されていること。土質やブドウ品種、地形や気候、そして人々の気質など様々な要素を映して出来上がるものがワインだとして、各産地や地域に最もふさわしいスタイルでのワイン造りを奨励しています。最良のブドウ畑を所有し、優れた醸造設備を備えた上で、志をもってワイン造りを行うVDP会員。代々受け継がれてきた技術やノウハウを駆使し、広大なワインの海にも決して埋もれることのない個性あるワインを作り続けているのです。
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